こんにちは。IT忍者です。持続化給付金再委託で5階層、6階層?まで下請けがいるというニュースが流れて少しづつ国民が問題として関心を持つのかなっと個人的には思っています。さて今回はちょうどいい事例だと思いますので、IT業界でもある再委託と、特に発注権限を持つ方へ出来る責任者になるための視点と管理という内容になります。
再委託しても利益が出るのかを紐解く
はい。先日のニュースで電通が「管理費10%なので儲からない。普段の管理費よりも低く設定している」と言っていましたが、儲けがないと言っていますがそんなわけない。
さらに言えば、実態が良くわからないサービスデザインという団体は20人程度で中抜き20億と言われていますが、さらに言えばその下の潜るアンダー企業が立ち上げた団体なわけです。こんなところで一部の人だけが税金が無駄に還元されるマネタイズするなと言いたい。
適切な仕事に対する報酬で還元されるのであれば納得は行きますが、この事例ではあまりには不透明ですよね。プロの仕事には対価と報酬は重要ですので、無償作業はあまりないですが。対価と報酬のバランスはどうなのでしょうか。気になるところです。
さて、IT業界でも再委託が連発されるというのが良くありますが、このカラクリを理解する必要がありますよね。ここで言うパーセンテージ指標を利益を図る場合には、総額がいくらなのかがポイントです。
もう少し、私の見解を言うと再委託そのものは対応リソースの問題とかも出るので100%悪という考え方ではなく、合理性があり必要だという場合もあります。再委託を逆手にとって可視化できなくするとか一切管理しないとか、丸投げだと意味がない。
契約書は再委託禁止を謳っている可能性がありますが、発注と受注双方が関連性がある企業・団体だった場合、そんなもの意味を持たない。裁判起こしても両方が両方の性質を持つ当事者w
余談が長くなってしまいましたが、本題へ入っていきます。
IT業界でも再委託構造がなぜ多いのか
ここでは、クライアントと1次受けだけで完結する開発ではなく、再委託が横行するタイプの開発をベースに話をします。受注するには「発注企業の口座を持つ」と表現されるのですが、発注企業のお墨付きのパートナー企業でないと受注出来ないというルールを敷いている企業群が多いわけです。
IT化に困っているクライアント企業に営業に行き、システム提案やパッケージ製品の提案で受注を取る開発と、大きな開発案件を持っている元受IT企業から下請けで受注するという流れで、後者の方がよく再委託がおきます。
受注したくても、厳選(?本当に厳選か(笑))されたパートナーさんとしか取引しないのです。一見さんなど口座を持たない企業さんだと、口もきいてもらえないとなります。営業して切り崩す必要がありますが、Nowで必要な開発リソース確保や空きが出ている状態で、案件ほしい場合、正攻法で1から審査通すよりも手っ取り早い方法もあるわけです。
そこで既に入り込んでいるパートナー企業が受けて、口座を持たない企業へ再委託するとかの流れが起きるのです。ケースバイケースですが、
・折衝・交渉・管理を実施しつつ上位レイヤーとして再委託
・X%利益を取り、一切関与せず下へ丸投げする
・本当にリソース・ナレッジ不足を補う為に再委託
などが多いパターンでしょうか。企業間の付き合い、繋がりなんかも絡み再委託の商流(スキーム)が生まれます。
再委託構造で利益が出るのか
これは%のみの指標だと判断できません。理由は下記です。
発注金額が10万円だと仮定して10%利益を取る場合 1万が入ります。
では、そこに対して時給換算2万の人が5時間必要で10万円のコストがかかるとしたら?
儲からないですよね。
でも、誰も必要としなかったら? そのまま1万は取れます。
さらに発注金額を数百憶円へ上げてみましょう。
700憶円に対して10% 70憶円です。
でも、実際に必要なコストは 時給換算2万の人が5時間必要で10万円のコスト だったら?
トンデモナイ利益ですよね。本当は0.1%で十分利益が出るかもしれませんよね。
受注金額が大きいからと言ってコストも比例するとは限らないのです。
数字のマジック。パーセンテージでは、ベースにする金額が大きければ大きいほど、
固定費、変動費のコスト次第で、利益になる損益分岐点も大きく変わります。少ない金額よりは大きな金額の方が、額が大きい分、調整幅も広がるので調整しやすい。
プロジェクト計画とコスト構造
特に発注権限や裁量を持つPMや、外部ベンダーへ委託する責任者であれば、再委託する理由の合理性が不可欠です。単純に丸投げ的なやり方だと、実態が把握できないばかりか、無駄なコストが見えないところで消費されてしまいます。
委託・発注する時に会社の金だからと言って、無頓着かつ無責任に使ってしまうサラリーマン管理者もいますが、自分の財布からお金が出ていく場合だとそんなことしないですよね?(笑)
今の状況と対応課題、リソース、コスト、期間、利益、自分が管理するための管理手法。
しっかりと計画と予実管理し、細かくステアリングを切る必要が出てきます。管理業務と指示業務も合わせて増加するので、「実は見込が甘く残業コスト」を積んでませんでした。結果大赤字プロジェクトでした。なんて話も良く聞きます。 管理工数と管理費のパーセンテージも、金額、状況、規模に合わせて設定が必要です。
まとめ
委託・再委託の必要性と合理性がどこにあるのか、商流制限と商流実態検知の方法はどうトラッキングするのか、プロジェクトのリスクヘッジとトレードオフ出来ているか、ルーティンのレポートと状態把握に手間が掛からないか。コストとコスト対効果をどういう指標で測っていくか。
などなど、事前に考えておくべき事は多いです。「盲目的な意思決定で進める」が一番危険です。今回のちょうどいい事例も、既に入札が終わって発注しているにも関わらず、実態も流れも全く把握できていなかったわけで、まさにダメ管理者と言われる内容事例だとは思われます。
そうならない為の、仕組みと方法を構築しておくことが一番の近道かと思います。意識的な部分にはなりますが、考慮しているか考慮してないかという部分でも、出来る人かどうかという視点では、強みにはなるとは思われます。
余談
昔は、IT業界でも再委託制限とかザルで、問題視して声を荒げる感じではなかった時代もあり、IT忍者も昔、たまたま雑談で気が付いたなんて時もありました。(苦笑)「え?○○さんの上に4社いるって?!」っと。そりゃ掛けたコストと一致しないよね。っと 今の時代はしっかり把握です。